六甲全山縦走とは?
国立公園六甲山を抱えた、神戸ならではの催し。早朝から夜にかけて、自然に親しみ、全国の仲間と交流を深め、体力の限界に挑戦する行事、それが「KOBE 六甲全山縦走大会」です。
引用:KOBE六甲山全山縦走大会 六甲山全山縦走とは
どんな縦走路?
須磨浦公園→須磨アルプス→摩耶山→六甲山→宝塚までの超ロングコースです。
YAMAPでは実測距離40.9km、獲得標高3187m、行動時間12時間27分でした。各チェックポイントの到達時間もリンク先から見れますのでご参考まで。
2019.11.23_六甲山全山縦走 / cantaroさんの後鉢巻山・菊水山・水無山(兵庫県西宮市)の活動データ | YAMAP / ヤマップ
主な大会として3月は兵庫勤労者山岳連盟主催で、11月は神戸市主催で年に2回行われています。下の有名な「加藤文太郎」が走破した時は今のように整備されておらず、和田岬から宝塚まで行った後に更に宝塚から和田岬まで歩いて帰ったというから驚きです。
加藤文太郎については新田次郎の小説「孤高の人」でも有名です。
須磨海浜公園と間違える人が必ずいるので注意です。
体力に合わせて六甲半縦走も
いきなり全山縦走をするには難しいと思うので、半縦走という手段もあります。
神戸市主催の大会に参加しよう
毎年11月に開催される神戸市主催の大会についてお伝えします。毎年8月頃に大会のホームページにて告知されエントリーが始まります。毎年、一週目の日曜日と三週目の日曜日(祝日の場合もあります)の2回開催されます。毎年抽選ですが、ほぼ間違いなく当選します。当選したら大会費用を振り込みます。後日、大会のパンフレットや参加証、リボン(2つ)が送られてくるので当日忘れないように持参しましょう。
大会参加証は当日必ず持参すること
参加証の半分はチェックポイントで千切って渡す半券になっています。裏側の半分はチェックカード、もう半分は証明写真を貼る欄があるので当日必ず持参しましょう。
忘れたらスタートの係の人に言えばなんとかなります。
チェックポイントで印鑑を押してもらいます。時間は自分で記入しましょう。
ハイカー心得は必ず内容を確認すること
参加証と一緒に送られてくるハイカー心得は簡単に言うと「しおり」です。
大会について重要な内容が書いてあるので必ず目を通し、必要と思えば当日持参しましょう。
なお、リボンはゴールで回収するので持って帰らないように注意です。
2015年から2019年大会まで5年連続で制覇中です
2015年に兵庫に来て以来、毎年参加し制覇しています。
神戸市主者の大会では宝塚ゴールにて表彰状と盾がもらえます。
この盾に描かれている花は毎年違うデザインです。これが欲しくて毎年参加しています。花のデザインは以下の通りです。
- 2015年:タニウツギ
- 2016年:ヤマザクラ
- 2017年:ホオノキ
- 2018年:カスミザクラ
- 2019年:スミレ
銅板で出来ていてクオリティが高くて好きです。盾は手のひらほどの大きさです。
2020年、2021年大会はコロナウイルスの影響で中止
2019年以降の大会はコロナウイルスの影響で中止となっています。2022年の開催に期待です。
2022年大会は開催される?
その年の大会の詳細は毎年7月に神戸市のホームページで公開されます。
外部リンク:KOBE六甲全山縦走大会
縦走までの事前準備
どんな登山靴が良い?
ハイカットの登山靴よりショートカットの登山靴が良いと思います。
縦走では思いのほか市街地、アスファルトを歩きます。
ポールはあったほうが良い?
あったほうが良いです。
最後のチェックポイントの一軒茶屋を過ぎた終盤、一気に足に負担がきます。
特に最終ポイントとも言える塩尾寺からゴールまでの間は舗装された急な下り坂になるので、ここで膝を壊す人が続出します(膝に負担をかけないように後ろ向きで歩いたり、蟹のように横歩きする方が増えます)。ポールを持っていると事前に膝にかかる負担を減らせるのでおすすめです。
食料は何を持っていけば良い?
アミノバイタルやカロリーメイトのような行動食、塩飴などがおすすめです。バーナーでゆっくりお湯を沸かしながらカップ麺を食べるような時間的余裕はありません(後述しますが、青鬼に抜かれたら強制終了です)。
初めて参加した年は道中でカップラーメンを食べるつもりでいたので、バーナーと水を持っていましたが、そのような余裕は無く全く、無駄な装備だったと反省しています…
ヘッドランプは必要?
必要です。
スタートは日の出前、ゴール時は日が暮れて真っ暗です。絶対に持参しましょう。当日忘れた場合、棄権する必要があるくらい重要な装備です。
最終チェクポイントの一軒茶屋を過ぎると日が暮れ始めて道が暗くなります。
前日にヘッドライトのバッテリーが十分に残ってるか、必ずチェックしましょう。
いよいよ縦走当日!スタート地点の須磨浦公園には何時に行けば良い?
序盤の渋滞を避けるなら4時前がベスト
AM5時に縦走開始時間ですが、それまでに大勢の人が並びます。山陽電気鉄道(通称:山電)の始発では遅い(既に数百人が並んでいる)のでタクシーや家族・知人の車で来ている人が大半です。ちなみに先頭集団の方は前日の夜から並んでいるとのこと。
なぜ並ぶ時間が早いほうが良いかというと、前半の狭い区間がボトルネックとなり大渋滞が発生します。この待ち時間で1時間以上はロスするので素早く抜けてしまう必要があります。なので須磨アルプスを越えるまでは皆さん結構早歩きです。
なお、須磨浦公園の近くにホテルなどの宿泊施設が無いので注意です。
途中でリタイヤする場合はどうする?
体調不良や体力の限界でリタイヤする場合、必ず道中にいるボランティアの係の人にリタイヤすることを伝え、参加証を渡しましょう。
勝手に帰ると最悪の場合、行方不明者として捜索される可能性があります。
いざスタート!黄鬼、赤鬼、青鬼に気をつけて
本大会は超ロングコースなので関門が設けられています。時間内に辿り着けなかったらリタイアです。その関門の目安として黄鬼、赤鬼、青鬼が後ろから付いてきてくれていますので紹介します。
関門時間30分前を歩く黄鬼
関門時間が近いことを知らせてくれます。普通に抜かれますが気にしなくても大丈夫です。
関門時間ちょうどを歩く赤鬼
関門時間ちょうどを歩いています。抜かれたらちょっとペースを上げたほうが良いかもしれません。付いてくのが厳しいようであれば途中でリタイアという選択肢もあります。六甲ガーデンテラスが最後のリタイアポイントです。
追いつかれたら終了、青鬼
関門時間後を歩く参加者の最後尾に付いているのが青鬼です。追いつかれてもペースが上げられないようであれば近くのボランティアの方に申し出てリタイヤしましょう。無理は禁物です。
須磨浦公園(スタート)〜須磨アルプスまで
05:00 スタート
いよいよスタートです。開始と同時に須磨浦公園から鉢伏山の山頂まで登ります。途中、団地などの住宅地があるので静かに通過して行きます。当然ながら真っ暗です。
06:00 須磨アルプス 馬の背
早く並んだおかげで渋滞に引っかからずスムーズに須磨アルプスまで到着出来ました。この辺りからようやく明るくなってきます。渋滞するので「名勝 馬ノ背」の標識だけ撮影して先を急ぎます。
須磨アルプス〜菊水山(第1チェックポイント)
07:30 高取山
この辺りまで来るとようやく日が昇り、今日が快晴であることが分かりました。鳥居の上まで行くのは体力的にかなりのロスになるので巻きます。
08:00 鵯越駅
駅前に「ひよどり亭」があります。ここでは1回目の大会の時はシャッターが開いてホットスナックや茹で卵を販売してくれています。自販機も沢山あるのでここで水分補給もします。
09:00 菊水山(第1チェックポイント)
スタートから4時間、ようやく第1チェックポイントです。山頂までの最後の区間が急登なので体力が削られていくのが分かります。山頂広場に着くとテントがあるのでそこで参加証にスタンプを押してもらいます。展望台もありますが、風が強く寒いので素通りです。
菊水山(第1チェックポイント)〜摩耶山(第2チェックポイント)
10:00 鍋蓋山
この辺りから徐々に疲労が蓄積されていくのが分かります。切り株に腰掛けたいですが、スルーします。
10:50 市ケ原
紅葉がとても綺麗です。新神戸駅から近く摩耶山の登山道かつハイキングの人もいるのでとても多くの人で賑わっていました。
12:00 摩耶山(第2チェクポイント)
稲妻坂で体力を大幅に削られます…でも山頂まで後少し!木製の階段が出来てたら後少しで山頂のサインなので頑張って登ります。山頂はチェックポイントの他に「摩耶山を守ろう会」のボランティアの皆さんがホットレモンを振舞ってくれているでとてもありがたいです。
ホットレモンをマイボトルに入れてくれるサービスもして頂けます。寒い時期なので本当にありがたいです。
摩耶山(第2チェックポイント)〜一軒茶屋(第3チェックポイント)
13:30 六甲山郵便局
摩耶山から六甲山まではほとんど舗装路です。道中にある六甲山郵便局では甘酒を振舞ってくれます。温まり、甘さもちょうど良く本当にありがたいです。
14:15 六甲ガーデンテラス
休日の観光地だけあって人が凄く多いです。景色を撮影してお手洗いと自販機で飲料品を買ったらすぐに出発します。
14:50 一軒茶屋(第3チェックポイント)
この辺りから日陰になるので寒いです。ここが最後のお手洗い&自販機ポイントなので準備を整えましょう。ここから長い下に入るので足のストレッチも忘れずに。
一軒茶屋(第3チェックポイント)〜宝塚駅(ゴール)
終盤は修行!
一軒茶屋を過ぎると特に目印があるわけでもなく、ひたすら山道を降ります。疲労もピークに達してくるのでもはや会話も無く、黙々と歩き続けます。ダラダラとした下りが続いたと思えば登ったり、なかなか標高が下がりません…気力で進みます。
17:00 塩尾寺(えんぺいじ)
ここまできたら山道は終了です。しかし、ここからが本当の地獄です。ビックリするくらいの急坂でコンクリートで舗装されているので膝に負担がかかります。初参加の人は大抵ここで膝を壊します。
17:30 宝塚駅(ゴール)
ようやくゴールです。
ゴール隣に記念撮影ポイントもあるので記念に撮るのも良いと思います。
ゴール周辺では近くのラーメン屋さんが割引券を配っているので立ち寄るものもありです。疲れた体に塩分が染み渡ってより一層美味しく頂けます。
盾と表彰状を貰おう
ゴールのチェックを受けたら表彰状(名前は自分で記入する)と記念品(盾)をいただきます。
残念ながら表彰状の名前欄は空欄なので後日、自分で記入しましょう。
ゴール後は温泉!
ナチュールスパ宝塚
ゴールのすぐ近くに温泉があります。年によって異なりますが、この温泉の割引券が付いてくる年もあります。汗をかいているのでこのまま電車に乗って帰るのはちょっと…と思うので毎年ここを利用しています。
全山縦走を終えて
これまで5回参加して、今回が最も早くゴール出来ました。行動中は体力的にしんどくて辛いですが、一番初めにゴールした時の達成感が病みつきになり以降毎年参加しています。道中、ボランティアの方々が道を誘導してくれたり、暗くなるとライトアップしてくれるのは本当に感謝です。
宝塚駅のロータリーには学生さんたちが「おしるこ」や「豚汁」を振舞ってくれています。これも本当にありがたい…感謝です。
まとめ
- 六甲山全山縦走は年に2回開催される。
- 3月は兵庫勤労者山岳連盟主催、11月は神戸市主催で行われる。
- 当時は参加証を忘れずに持参しよう。
- 朝5時スタート、スタート前から数百人並んでいるの出来ればタクシーか誰かの車で現地へ。
- チェックポイントは菊水山、摩耶山、一軒茶屋の3カ所。
- チェックポイントに時間制限あり。時間内にたどり着けなかったらリタイヤ。
- リタイヤする場合は係の人に必ず申告しよう。
- ゴールで盾と表彰状を貰おう。
様々な方に支えてくれながら行われる六甲山全山縦走、興味があれば是非参加してみてはいかがでしょうか。