焼岳は今なお活動を続ける活火山
焼岳とは上高地の河童橋に立った時、穂高山脈とは逆の方向を見た時に望むことが出来る山です。
白谷山、アカンダナ山、割谷山と共に焼岳火山群を構成し、火山群中で現在も活動をしているのが焼岳です。有史後の噴火活動は水蒸気爆発がほとんどで泥流を生じやすいのが特徴です。
頂上は北峰(2,439m)、南峰(2,455m)があります。南峰は崩落の危険があるので無雪期は立ち入り禁止です。

上高地の玄関口、安房峠と安房トンネル
水蒸気爆発に関連する話として「安房峠」と「安房トンネル」があります。
安房トンネルの「中の湯」側の出口が急カーブになっているのはトンネル工事の時に水蒸気爆発が発生し、ルートを変えざるを得なかったのです。
安房峠とは
1997年に安房トンネルが完成する以前は北アルプスを越えて岐阜県と長野県を結ぶ道路が少なく、国道158号現道の安房峠は大型車のすれ違いが困難なため、観光客の多い時期には通過に5時間以上(長い時には8時間)かかることもあったほか、冬季は積雪により通行出来ませんでした。
安房峠への途中にある「中の湯温泉旅館」は、後述の安房トンネル事故の影響を受けて、現在地へ移転しました。
安房トンネルとは
中部縦貫自動車道の中ノ湯ICと平湯ICの間にある、長野県松本市と岐阜県高山市を結ぶ全長4.4キロメートル (km) の自動車専用トンネルで1997年12月に完成しました。
安房峠越えをわずか5分に短縮し、現地調査から33年・着工から18年の歳月を費やしました。
焼岳火山群中の活火山であるアカンダナ山南側の高温帯を通過しており、長野県側の中の湯温泉取付道路工事中の1995年(平成7年)2月11日に、国道158号への取付道路付近で火山性ガスを含む水蒸気爆発が発生し、作業員4人が犠牲となりました。
この事故によって、中ノ湯側の出口は当初予定されていたよりも北側に変更され、トンネル延長が当初の予定より20メートル長くなり急カーブになってしまいました。
また、当時建設中であった取付道路の陸橋の一部が未完成のまま放棄されました。この未完成の橋脚は松本側の国道158号から見ることが出来ます。

大正池は1915年(大正4年)の噴火で出来た
1915年6月6日、焼岳が大噴火を起こし、その泥流が隣を流れる梓川を堰き止めた結果、大正池が出来ました。
今では大正池を一望できる大正池ホテルが出来て良い観光スポットとなっています。
大正池では風が無い時に逆さ焼岳を見ることが出来ます。

池の北側を見ると穂高連峰を見ることが出来ます。


上高地側の登山口は2つ
中の湯登山口
安房峠からアクセスする焼岳山頂まで最も早く辿り着けるルートです。
登山口近くに無料の駐車場(というか路肩の空き地)があります。が、20台ほどしか停められません。
メリットは頂上まで最短で辿り着けることと、上高地を経由しない(マイカー規制されていない)ので自由な時間に出発出来ることです。
デメリットは駐車場にトイレが無いということです。さらに言うと中の湯登山口駐車場から山頂までトイレがありません。
それ故、登山道から外れた草むらでお花摘みされる方が多数…

自然を護るため、携帯トイレを持参することをお勧めします。
上高地側登山口
上高地からアクセスするメジャーな登山口です。今回はここから登ります。
バス終点の河童橋まで行ってしまうとかなり戻ることになってしまうので、焼岳に登る場合はその手前の停留所で降りることをお勧めします。
今回は「帝国ホテル前」バス停で降りてスタートしました。
流石、帝国ホテルです。外観から素晴らしさが伝わってきます。

上高地側登山ルート
上高地帝国ホテルから登山口入り口までの約2.5kmの区間は平坦な道を歩きます。
序盤は遊歩道で徐々に砂利道になっていきます。
登山口には標識も立っているので分かりやすいです。

2019.07.17_焼岳(上高地) / cantaroさんの焼岳の活動データ | YAMAP / ヤマップ
序盤 〜緩い登りの樹林帯〜
登山口からの序盤は木が茂っているのであまり展望はありません。黙々と進みます。
ただ、木の間から山頂が見えるとテンションが上がります。

中盤 〜急登&垂直の梯子(核心部)焼岳小屋、中尾峠〜
樹林帯の合間を抜けると金属の柱のようなものが見えます。
近づくと長い梯子が岩場にかかっていることが分かります。ここがこのルートの核心部です。
梯子の接続部に多少不安があるものの降りてくる人がいないことを確認して登り始めます。


発電機の音が聞こえてきたら焼岳小屋もすぐそこです。ここには登山道唯一のトイレがあります。


発電機の音が聞こえた時の安心感は何とも言えないものがあります。
同時にちょっとワクワクする感情もあります。
絶景の中尾峠
焼岳小屋を出発してから次のチェックポイントは中尾峠です。
山頂直下の急登前に一息つける場所なのでゆっくり休みます。
景色が素晴らしいので時間を忘れてくつろげます。



このような景色を独り占めできるのが登山の魅力だと思います。
終盤 〜岩場の急登、頂上(北峰)〜
山頂直下は岩場の急登です。
所々、岩場の隙間から水蒸気が出ています。と同時に硫黄の匂いがします。
ここまで来たら山頂まであと少しなので頑張って登っていきます。






山頂(北峰)は結構広いです。
山頂からの景色は絶景です。上高地が一望出来て、梓川もよく見えるので普段は河童橋から眺める焼岳ですが、山頂から眺める上高地も良いものです。
北峰からは南峰と焼岳のお釜を見ることが出来ます。
南峰は崩落の危険があるので無雪期は立ち入り禁止です。なので眺めるだけ…


下山 〜上高地散策〜
下山は来た道を戻ります。核心部の垂直の梯子はすれ違い不可、かつ下が見えないので慎重に降りましょう。
登山口まで降りたらそのまま遊歩道を歩いて河童橋まで行くと良いと思います。
朝は薄暗かった遊歩道も下山時には日が登り緑が映えます。青い空と白い雲、「夏」って感じです。




遊歩道では頭の中で久石譲さんのsummerがBGMで流れてきそうなほどの「夏の景色」が目の前に広がります。
ウエストン碑
上高地を散策していると「ウエストン碑」を見ることが出来ます。
ウォルター・ウェストン氏は、日本アルプスを世界に紹介した英国人宣教師で、近代登山家の父と呼ばれています。
立地といい、雰囲気といい、RPGのセーブポイントもしくはキーアイテムが手に入る場所みたいです。

「ウエストン碑」は「上高地ルミエスタホテル」のすぐ隣にあります。
上高地散策
梓川の水がとても綺麗で真っ白な砂が広がる場所もあり、景色が素晴らしいです。
河童橋付近は流石に人が増えてきます。とはいえこの日は平日だったので大混雑では無いです。
河童橋を渡ると先ほどまで登っていた焼岳が見えます。







すごく遠くに見れますが、山頂に立っていたことを考えると「頑張って歩いてきたなー」と実感出来ます。
帰りのバスは始発の「上高地バスターミナル」から乗車しよう
来るときに降りた「帝国ホテル前」バス停から乗車しても良いですが、下山時の時間(大体14時ごろ)だと観光客が沢山来ているので始発の河童橋の時点でバスが満車のことがあり、途中乗車の場合座れない可能性があります。

せっかく上高地に来たのですから河童橋周辺を散策したいですね。
まとめ
- 焼岳は今なお活動を続ける活火山
- 山頂は北峰と南峰の二つあるが、南峰は崩落の危険があるので無雪期は立ち入り禁止。
- 中の湯登山口は山頂までの最短ルート。だけどトイレは全く無し。
- 上高地側登山口がメジャーなルート。「帝国ホテル前」で下車しよう。
- 中盤に現れる核心部、長い垂直の梯子は気をつけて登ろう。
- 焼岳の山頂(北峰)からは上高地が一望できる。
- 下山後は上高地散策をしよう。
- 帰りのバスは「上高地バスターミナル」から乗車しよう。

上高地の河童橋から綺麗に見える焼岳ですが、登山は日帰りで出来るのでオススメです。
活火山なので噴火レベルを事前に把握した上で登りましょう。