鳥海山ってどんな山?
山形県と秋田県に跨がる標高2,236 mの活火山です。山頂に雪が積もった姿が富士山に類似しているため、出羽富士(でわふじ)とも呼ばれ親しまれています。山形県では庄内富士(しょうないふじ)とも呼ばれています。
東北地方では燧ヶ岳(標高: 2,356 m)に次に標高が高いです。
山頂からは、北方に白神山地や岩手山、南方に佐渡島、東方に太平洋を見ることが出来ます。空気が澄み切れば約300km先の北アルプスの後立山連峰を見る事が出来るようです。
山頂は山形県側にありますが、秋田県側に山頂があると主張する秋田県民で山頂争いになることが多々あるそうです。
激レア「影鳥海」
影鳥海(かげちょうかい)とは鳥海山が朝日に照らされた時、その影が日本海に浮かび上がる現象のことを言います。
山頂で見る事が出来るようです。その条件は以下の通り。
「東方の空に雲がなく、鳥海山の山頂付近が雲や霧に覆われていないこと。」
登った日も条件が揃っていると思われましたが、山の中腹にいたため現れたかどうか確認する事が出来ませんでした。
やはり山頂付近でないと見る事が出来なさそうです…
登山口は秋田県側と山形県側合わせて9つ
秋田県側は4つ
- 象潟口(きさかたぐち)最も知られている鉾立ルート
- 矢島口(やじまぐち)秋田県側でもっとも歴史の古いルート
- 百宅口(ももやけぐち)九合目から急登のガレ場が続くルート
- 猿倉口(さるくらぐち)山麓に唯一の温泉があるルート
山形県側は5つ
- 吹浦口(ふくらぐち)全登山道でもっとも歴史のある伝統的ルート
- 長坂口(ながさかぐち)尾根道の眺望を楽しめるロングルート
- 万助口(まんすけぐち)全登山道中、標高差が最もあるルート
- 二ノ滝口(にのたきぐち)渓谷を楽しめる健脚者向けルート
- 湯ノ台口(ゆのだいぐち)山頂(新山)まで最短距離のコース
鳥海山の全ルートの詳細を知りたい場合は以下のリンク先を参照下さい。
登山アウトドア用品のセレクトショップ YAMAP STORE象潟口から最高峰の新山を目指す
今回は秋田県側の登山口で最もメジャーな「象潟口」[別名:鉾立(ほこだて)口]から登ります。
なぜ数ある登山口からこの登山口を選んだかというと、「日本海を望みながら登りたい」という気持ちが強かったからです。
それと「まず初めはメジャーなルートを登り、次回以降は別のルートを登りたい」という気持ちがありました。
2019.08.14_鳥海山(新山) / cantaroさんの行者岳(山形県)・鳥海山・文珠岳(山形県)の活動データ | YAMAP / ヤマップ
鉾立登山口駐車場に駐車しよう
「象潟口」登山口の目の前に鉾立登山口駐車場があります。
無料で利用でき、約300台駐車可能です。
標高1,100m付近にあるので真夏でも何とか車中泊可能なので前泊して朝一登ることが出来ます。
駐車場からの景色も素晴らしいです。
ここの景色だけでも満足しそうですが、山頂からはもっと良い景色を見ることが出来ます。
象潟口からのルートの紹介
日陰が無いので日焼け対策をしよう
序盤に少し木の影があるくらいで道中ほぼ日陰がありません。
晴れの日に登る場合は勿論ですが、帽子を被り長袖を着るなどして皮膚の露出を避けた方が良いです。肌が出ているところは日焼け止めをべったり塗りましょう。
日焼け対策をしないと真っ赤に日焼けします。
前日の夕方に到着して下山してくる人を見た時、ほとんどの人が肌が出ている場所が日焼けで真っ赤になってました。
日の出が見たいから夜明け前に登り始める(日焼け対策兼ねる)
この時はお盆真っ只中。
日が昇ると暑くなるので、暗いうちから登り始めます。勿論、周りに誰もいません。
第一チェックポイント「鳥海湖」
空が明るくなってきました。
今日はとてもいい天気である事が確認出来てワクワクしてきます。
鳥海湖もはっきり見えてきましたが、先を急ぐので登りはスルーしました。
第二チェックポイント、七合目の御浜にある「御浜小屋」
御浜まで来たらここが七合目です。すぐ近くに御浜小屋があります。
御浜小屋では宿泊も可能です。
ここまで登ったらだいぶ日が昇りました。御浜小屋まで照らされているのが分かります。
奥に日本海が見えるようになりました。
第三チェックポイント 「御田ヶ原」
ここで完全に太陽が鳥海山の山肌から姿を表しました。
日が当たった瞬間から暑さを感じます。紫外線で肌がピリピリします。
ここで日焼け止めを塗り塗り…
この時点で絶景です。登ってきた尾根がよく見えます。
改めて見ると木が全く無い事が分かります。
第四チェックポイント 「千蛇谷の雪渓」
ここで初めて雪渓が出現します。
真夏なのにしっかり残っていますので滑らないように注意です。
滑らないようにするならチェーンスパイクか軽アイゼンの装着をオススメします。
太陽が輝いているのが目指す新山です。
空の青、山の緑、雪渓の白、コントラストが綺麗です。
雪渓を登りきったところで来た道を振り返ります。
うん、良い景色!
最終チェックポイント 「大物忌神社」
ここまで来ると新山頂上までもう少しです。
最後はガレ場の急登なので一休みすると良いです。
広いので休憩にもってこいです。御室小屋もすぐ近くにあります。
目指すはあの岩山の頂上です。
山頂直下はガレ場を行く
山頂直下はガレ場です。
いったん降り、すぐ登ります。岩ばかりで方向感覚が危うくなりますが、白い矢印を目印に進めば問題ありません。
頂上(新山)からの眺めは最高!
ガレ場を登りきると新山山頂です。
岩場なのであまり寛げるスペースはありません。
混雑していると写真撮るのも大変そうですが、朝早く出た甲斐あってこの時は誰もいませんでした。
新山から南側を観ると、これまた絶景。
遠くに月山が見えます。写真中央、真ん中の突起が月山です。
月山に関しては以下の記事で紹介しています。
山頂からすぐのところにある御室小屋
山頂からすぐの場所にあります。
ご来光をみたい場合はここで宿泊すると良いと思います。
外輪ルートを歩こう
下山時は登ったルートとは別の外輪コースから降ります。
勿論、登る時に通っても問題ありません。下りのルートとして選んだのは「下りの時の方が景色が良い方が最後まで楽しめる」と思ったからです。
ここからみると新山にかなり雪渓があることが分かります。
この頃になると雲が出てきました。
大分雲が上がってきました。気がついたらあっという間です。
雲が出る前に山頂に行けて良かったです。
「行者岳」「伏拝岳」「文珠岳」を縦走しよう
外輪ルートでは「行者岳」「伏拝岳」「文珠岳」を縦走します。
ぱっと見ではよく分からず、小ピークなので気づかずに通り過ぎてしまうかもしれません。
徐々に雲海が広がってきました。
写真奥に見える山が月山です。
扇子森の登りを頑張ろう
扇子森の登りがシンドイです。帰りルートの最後の山場なので頑張って登ります。
この時間になると登りの人たちとすれ違う回数が増えてきました。
雲が新山を隠してラストダンジョンのような雰囲気もあり、良い風景だったのでカメラで撮影。
登りは暗くて気付きませんでしたが、鳥海湖周辺にも残雪がありました。
登山口に戻ってきました。
この時になると空が雲で覆われていました。
まとめ
- 登山口は秋田県側と山形県側合わせて9つ
- 初めて登るなら象潟口(きさかたぐち)最も知られている鉾立ルートにしよう
- 鉾立登山口駐車場に駐車しよう
- 道中、日陰がないので日焼け対策をしよう
- 千蛇谷では雪渓を横切るので注意しよう
- 新山直下はガレ場なので気をつけて登ろう
- 山頂からの景色は絶景
- 外輪ルートを通って下山しよう
日本海に近いこの山は庄内平野と日本海を眺めることが出来るのでとても素晴らしい景色を見る事が出来ます。
この日は見れませんでしたが、いつか影鳥海を見たいものです。